「この二人だよ」

「初めまして!!川崎彩希です!言いにくいフ

ルネームだけど、よろしくね!」

カッコイイ彩希の、ちょっと面白いの挨拶。

「俺、坂下舜≪しゅん≫。舜って呼んでくれ

て構わねぇから」

ぶっきらぼうな坂下クン。

女子に人気なカッコイイ坂下クン。

……今、思ったんだけど…

あたしって、すごいカッコイイ、ルックス良

しの二人に囲まれてる?

やだ~!!

あたしが可愛くないの、バレちゃう!!

「舜に、川崎な。覚えとく」

「青葉光輝クンだよね。なんて呼んだらいい

かな?」

彩希、ナイス質問!!

心の中では、光輝クンって呼んでるけど、本

人の前ではなんて呼んでいいか…

「…川崎は、名字で呼んで。舜は名前でいい

よ。俺もそう呼んでるし」

「奈央は?」

またナイス質問だよ、彩希!!

「あいつは…」

あたしは?

「名字プラスさんだな」

すごく意地悪に笑った顔で言われた。

「なんで!?」

「俺、お前の先輩だし。俺はなんて言おっか

な。まぁ俺は、お前にさんなんかつけねぇけ

どな」

「そうですか~、青葉さん!!」

イライラする!!

なんか、ひどくない!?

「夕暮」

「…はい!!」

皮肉たっぷりな、あたしの名前の呼び方に嫌

そうな感じで返事。

…あたし、光輝クンが好きなんじゃないの?

こんな言い方して、いいの?

「俺、この学校気に入った。よろしくな」

「えっ…」


―きゅんっ


さっきまでの嫌みっぽい、光輝クンはどこに

行っちゃったの?

しかも、今の【きゅんっ】ってなに!?

本当に、今のギャップのある感じの優しさ、

ドキドキしちゃったよ!

「うっ…うんっ。よろしく」

…ヤバイ。

本当に好きになっちゃったよ、今ので。

どうしよっ…

カッコイイ。

でも、わからない。

光輝クンはなにがしたいのか。

なぜ、うちの学校にきたのか。

あたしは、ずっと顔を赤くしながら考えてい

た。

その姿を、坂下クンが見ていたことには気づ

かずに。