「じゃあ、今日は打ち合わせ…ということな

ので、新メンバーもいるし、自己紹介しても

らいましょうか」

会議室…みたいなところでの打ち合わせ。

いろんな世代の人がいる。

あたしみたいに若い人もいれば、大人の方も

多い。

今話した人は、40代前半…くらい？

「では、監督から。監督、お願いします」

「今回の映画の監督をします、平良≪たいら

≫です。よろしく」

平良監督…名前、覚えないと。

いろんな人の挨拶を聞く。

部員の声優さんとか、役の監督さんとか、コ

ーチ、担任の先生…など。

話からして、学園もの？

「次は…小林さん」

「小林実穂です。オーディションで、選んで

いただきました。声優は初めてなので、なに

かと迷惑をかけてしまうかもしれませんが、

よろしくお願いします」

…挨拶、しっかりしてるなぁ。

あたし、こんなにきれいに言えるかな。

「小林さんには、マネージャーの役をやって

いただきます。では、次に夕暮さん」

「夕暮奈央です。声優…というお仕事はやっ

たことがないので、不安でいっぱい…という

のが本心です。わからないことだらけで、い

ろいろと焦ってしまうと思いますが、よろし

くお願いしますっ」

「あははっ。焦ってしまうと自分で言うか。

よろしくな、奈央ちゃん」

監督さんに笑われた…

「よっ…よろしくお願いします」

笑われてます。

「夕暮奈央さんには、ダブル主役のマネージ

ャーの役をやっていただきます。では、もう

一人の主役を紹介しましょう」

「…青葉光輝です。よろしくお願いします」

光輝クン…

この前、オーディションで見た人。

あたしが思っていたことは、あっていた。

でも…

声が声優やってる時と少し…いや、全く違く

ない？

もっと、優しい声のはず…

「青葉クン…もうちょっとなにか言わない？

もっとなんかさ…」

「お言葉ですが、僕はまだ未公開の人間なん

ですよ？本業ではないみなさんがいる前で、

いろんなことは話せません」

「まぁ…青葉クンらしいね…」

「…それはどーも」

冷たく言い放って、椅子に座った。

「彼は、あぁいう性格ですが、演技は本物で

す。彼の演技を見ていただければ、彼の性格

がわかると思うので、よろしくお願いします

ね」

光輝クンって、こんな性格の人なの？