そして、約束の日曜日になってしまった…

「夕暮奈央さん」

「はい」

今日はなにやるんだろ…

部屋に入ると、今回は3人の人が座って、中

にはオーディションを受けに来たと思われる

人が4人。

「今回のオーディションはお話を聞くことで

す。気楽にお話しくださいね」

「あっ…はい」

「では、夕暮さん」

「はい」

「あなたはなぜ、このオーディションに受け

たのですか?」

「はい。私は友達に薦められました。主演の

青葉さんの大ファンで、前から声優に向いて

いると言われていましたので、応募させてい

ただきました」

「ありがとうございます」

変じゃなかったかな…

不安だぁ…




なんとか、質問も終わったようで…

「ありがとうございました。では、結果は後

日連絡いたします」

「ありがとうございました」

頭を下げて、ゆっくり歩く。

にこっと笑った審査員には気づかなかったけ

どね…


【二次審査の足のチェック合格】

「足のチェック?」

あの、歩いたやつ?

『2回に渡る二次審査合格おめでとうござい

ます。今回の審査は、歩き方のチェックとさ

せていただきました。今回は、緊張の中の美

しい歩き方、話が終わり、安心した時の歩き

方を見させていただきましたところ、貴女様

は見事でした。三次審査もがんばってくださ

い』

「歩き方を見てたんだ…」

いや、なんで?

意味わかんない。

歩き方なんて、声優なんだから見えないじゃ

ない。

どうしてだろ?

「あっ…彩希に言わなきゃ」




二次審査…なんだったんだろ。

三次審査も…心配だなぁ。