…はい、バレました。

「翔のバカッ!!」

「あはははははは!!」

あぁ、いつもの怜さんの笑い声が聞こえてき

たよ…

翔と怜さん、一緒に来たのかな?

「女の子の時、声いつもより高いんだな~。

ぶはっ!!やっぱ、おもしれぇっ!!」

「怜さんも嫌いですっ!!」

「……碧、逃げるぞ」

「えっ?龍!?」

龍に手を引かれ、走り去るあたしたち。

はっ…速すぎるよっ!!

「龍っ!!追い付けないよぉ…」

つっ…疲れた。

「……碧さ、これから他の奴らから、告られ

たりするかもしれねぇけど、絶対に断れ」

「えっ?うっ、うん…」

「……俺、嫉妬深いみたいだから」

ギュッと後ろから抱きつかれた。

…もしかして、翔に妬いた?

「翔は、いとこだよ?恋には…」

「碧がそうでも、翔は違うかもしれねぇ」

ギュッと、さっきよりも強く抱き締めてくる

龍。

「苦しいよ?力、緩めて」

緩めてくれた時、向きを変えて、あたしも龍

に抱きついた。

「大丈夫。あたし…龍しか好きじゃない」

キュッて、抱きつく。

あぁ…龍の香水の匂いがする。

バイクに乗ってる時の安心感がある。

「龍…大好きだよ?」

「……俺も」

あたし…女で良かったかも。

そうじゃなければ、あたしは龍の彼女になる

ことも、将来、龍の隣にいるかもしれないこ

とも、なかったんだから。

…女じゃなかったら、龍と恋ができなかった

んだ。