「…あたしも、好きです」

「じゃあ、龍って呼べ!!」

喜んだ顔の龍さん。

じゃなかった…りゅ、龍…

「…あの、龍さん」

「龍」

「龍、あのね…」

あたし、悲しすぎる伝説…越えられた?

悲しい伝説みたいに、悲しく終わっちゃった

かな?

今、あたしは好きな人と想いが通じて…幸せ

だよね?

でもね…

「あたし、高校行けなくなっちゃった」

「はぁ!?」

だって、みんなに女だってバレた。

親父にも…バレたでしょ?

龍…だって、空や海、怜さんに、言った…よ

ね?

「だって、女だってバレちゃった」

「じゃあ…理事長に頼む」

「俊兄に?何を?」

「……碧だけ、女でも許可してもらう」

「無理でしょ?それは、俊兄でもさすがに。

だって、男子校…」

「……理事長から、許可降りた」

「はぁ!?」

「……碧、龍月行くぞ」

「えっ?」

「……銀龍じゃなくて、金龍の女として、龍

月に挨拶行くんだ。ほら、バイク乗れ」

龍から、あたし専用のヘルメを渡されて、そ

れを受け取る。

「うん!!」

悲しすぎる伝説。

それとセットで、あたしの幸せの伝説、龍と

一緒に、残してやるんだから。