「なんで、琉咲の制服…
てめぇ、女だろうがよ」
…知ってる奴が、いた。
「ふざけたこと、言ってんじゃねぇ」
殴るけど、殴り返される。
…集中、できない。
「…死ね!!」
後ろから、刃物を持った奴が、あたしに走っ
てきたなんて、知らなくて。
「碧!!」
優さんの声で、あたしははっとして。
「…優さんっ!!」
あたしが、気がついた時には…優さんは、も
う血が流れていて。
「優さん!!」
「優!!」
龍さんの声も、聞こえて。
龍さんは、その刃物を持った奴を、殴り殺そ
うとしていた。
あたしは…動けなくて。
いろんな奴が、血を流してるのを見てきたの
に、こんなに胸が痛くなる血は、初めて。
「優さ~ん!!」
あたしは、叫んだ。
なぜか、向こうからパトカーの音がして。
「優を運ぶぞ!!」
優さんを運んで、病院に連れていった。
優さん…優さん…

