「……早くしろ」

手を掴まれて、無理矢理腰を掴まされる。

そのまま一気に走り出したから、びっくりし

て、ギュッてやってしまった。

…………………。

とてつもなく、恥ずかしい。

「……フッ…」

なんか、鼻で笑われた気がする。

…てか、細くない?

あたしが腰を掴んでも、まだ余裕がある。

…ヤバイ。

本当に緊張する。

「……着いたから。降りて」

ちょっと迷惑そうに、あたしに言った。

「すいませんっ。ちょっと怖くて」

ヤバイ。

思わず本音がっ。

「……ここ、入れ」

「えっ?」

見れば、普通のマンション。

「誰かの家ですか?」

「……まぁ、行けばわかる」

さっきから、それだけじゃん。

エレベーターに乗って、マンションをあがっ

ていく。

「…………楢崎?」

マンションに行くと、楢崎とローマ字で書か

れた表札があった。

「……入れ」

なにもチャイムとか押さずに、中に入ってい

った、龍さん。

「あっ、龍兄お帰り~」

「おぉ。楢崎。邪魔してんぞ」

初めに言ったのは、海。

次に言ったのは…

「なんで俊兄がいるの!?俺、なにがなんだか

わかんなくなってきたし!!」

とにかくわかったのは、幹部の集まりだとい

うこと。

「碧~、顧問の先生に向かって、なに言って

んだよ」