「パーパー!!」

「あっ…結愛≪ゆめ≫」

「父さん、なに泣いてんだよ!!」

「儚≪はかな≫…」

「拓也、大丈夫?」

「友華…ごめんな」

「しょうがないよ。拓也も辛いんだろうし。

いっぱい泣いときなよ」

「友華…」

やっぱ、お前が好きだ。

「パパ、はいっ」

結愛がりんごジュースをくれた。

「ありがとな。結愛」

俺な、儚。

自分の子供に、儚と結愛って名前つけた。

お前が、ずっとそばにいてくれる気がして、

この名前をつけたんだ。

友華も、そうしようって言ってくれてた。

あと、お前の夢が忘れられなかった。

「儚」

「なに?父さん」

「儚の名前は?」

「鷺阪≪さぎさか≫儚!!」

「じゃあ、結愛の名前は?」

「鷺阪結愛!!」

「大きな声で、よく言えました」

儚…

お前、小さな夢だって言ってたけど、俺はそ

うは思わないよ。

お前の夢は、本当に大きな夢だと思う。

俺なりに、夢、叶えてみたよ。

まぁ、松崎じゃないけど…

儚と結愛。

俺の子供として、同じ名字になるって夢、叶

えられたよな…儚。


だから、もう儚と漆星は家族だよ。


また会いに来るよ。


いつか、儚と結愛が恋をした報告と、結婚し

た報告がしたいよ。







雨 End