「断る」

…即答かよ~。

さすがに泣けるよ。

「断らせない。俺、この学校のトップになる

から」

「……それはさせない」

「じゃあ、勝負しろ」

トップとか、興味ないけどな?

けど、1という数字がほしいんだよ。

あたしは、強くならなきゃいけないから。

「…それは断る」

「んな矛盾したこと言ってんじゃねぇよ。ト

ップとられっか、喧嘩すっか、ふたつにひと

つだ。決めろ」

「……どちらも無理だな」

間が長い!!

てか、冷たいよ。

なんかね!!

「男なんだから、どっちかはっきりしろ」

「……怜≪れい≫。こいつ誰だ?」

「え~っと、桜吹雪碧。一年。生徒代表。成

績優秀。桜吹雪組の二代目組長、銀の息子。

三代目組長の候補で、喧嘩は強い。だって。

情報はこのぐらいかな」

…えっと、怜さん?

箇条書きですか?

そのメモ。

すごく一個の情報ごとに切れてますね。

…逆に怖いです。

「……桜吹雪組の奴か」

「まじで、喧嘩強そうだな」

「楢崎~。喧嘩、していいよ?」

屋上のドアが開く。

いきなり誰!?

また、仲間が!?

「……理事長」

「うわっ。俊兄!」

「うわってなんだよ、碧。俺に対して」

「知らねぇよ。俊兄は、首つっこむな!!」

「俺が話つけねぇと、楢崎は喧嘩しない。楢

崎は、何気いい奴だから」

「……何気ってなんですか」

「まぁまぁ。で、喧嘩の許可は出す」

「……許可出されても、俺は殺りませんよ。

優≪ゆう≫、海≪かい≫と空≪そら≫を呼ん

でこい。あいつらの腕を試す」

「はいはい。てか、俺に命令すんな」

「……わり」

謝った~!!

てか、海と空って?

「お前が殺るんじゃねぇのかよ」

「……俺は、喧嘩はしねぇから」

「龍さ~ん」

「龍兄~」

「おいっ、海。龍さんに失礼だぞ」

「空はうっせぇよ。で、龍兄、なんか用~?

俺ら、帰るとこなんだけど~」