5年後。








あたしたち、マツ、ヒロ、夏喜クン、尚斗ク

ン、そして、奏と梨那は、みんな有名私大に

合格して、卒業した。

梨那も、頭の良いみんなに勉強を教えてもら

い、合格できて、卒業もできた。

3ヶ月後、あたしと奏は結婚する。

そして今日は…ウェディングドレスを選んで

いる。

ちなみに、ダブル結婚式。

梨那と夏喜クンも、結婚することになったか

ら、一緒に式をすることになった。

で、結婚式当日まで、旦那様のふたりには見

せたくないから…あたしは、尚斗クンとマツ

に。

梨那は、ヒロと一緒に選ぶことにした。

今じゃ、奏と尚斗クンはすごく仲良しで。

趣味も合うのか、ひとつのファッション雑誌

をふたりで見て、これほしいなとか、そんな

会話をする仲。

尚斗クンが、見た瞬間に気に入った、1着の

ドレスを試着中のあたし。

着てみると、お姫様になった気分になるドレ

で。

今日は特別に梨那がメイクも、ヘアメイクも

してくれて、自分じゃないみたいだった。

「着替え終わった?奏歌ちゃん」

「うん…」

見せるの、恥ずかしいなぁ…

「笑わへんから、出てきぃや」

マツの声に、背中を押されて、試着室を出た

あたし。

「どう…かな?」

やぁ…やめてぇ。

ふたりとも、黙らないでっ!!

「きれいやなぁ、カナ。似合ってるで」

やっと口を開いた、マツの言葉に、嬉しくな

る。

「本当…?」

「ほんまやで。なぁ、尚斗!!」

「…うん。奏歌ちゃん、すごくきれいだ」

そう言って、尚斗クンに優しく抱き締められ

たから…抱き締め返した。

「今、奏と幸せになれたのは、尚斗クンのお

かげだから…ありがと」

「俺ら、付き合ってた間、キスとかしたこと

なかったよね?」

「…うん。そうだね」

あたしがまだ…奏を好きだったから、尚斗ク

ンが、遠慮してくれたんだ。

「キス…しておけば良かった」

「えっ…」

びっくりして、顔を上げると、リップ音を立

てて、頬にキスをされた。

「結婚したら…これ、浮気だろ?だから、最

後にさ…本当は、唇が良かったけど」

なんて、赤い顔して言うから…あたしも、恥

ずかしくなっちゃう。

「俺、奏に言ってまうで。えぇんかぁ?」

ふざけて言うマツに、焦ってしまう。

「言ったら怒られちゃうからっ!!言わないで

よ~」

「嘘やて」

マツに、手の甲にキスされて、お姫様気分が

増す。

「俺も同罪や。秘密やで」

そう言って、ウィンクしたマツが、カッコ良

かった。