スリーポイントシュート。

「奏歌ちゃん、ナイスッ」

手を前に出してきた夏喜クンの手に、ハイタ

ッチ。

「やっぱ、奏歌ちゃん上手いね」

尚斗クンにも、褒められて、ハイタッチ。

頭も撫でられ、上気分。

別に、尚斗クンのこと好きだから、とかじゃ

ないけどね。

何気なく、ベンチの方を見てみると、そこに

は…

奏がいた。

隣に、女の子がいる。

女の子が、すごく楽しそうに話しかけている

のに、奏は全部頷くだけで、聞いてなさそう

だった。

「……奏…」

「奏歌ちゃん、始めるよっ」

「うん!!」

…一瞬。

一瞬だけだけど、奏と目が合った気が…

…もう、奏のこと考えないって決めた。

「よしっ!もう一点とるぞ~」

「じゃあ、俺らは奏歌ちゃんに続くか」

尚斗クンと、夏喜クンが、いきなり変わった

あたしのテンションについてきてくれた。

「奏歌ちゃん、頑張ろうね」

夏喜クンが、意味深な笑いを浮かべて、あた

しに話しかけた。

「うん!!頑張る」

…奏、あなたは、あたしが特進クラスに希望

を出してたの、知ってた?

あなたは…あたしが、今日体育館でバスケや

ること、知ってましたか?

知ってて、ここに来たの?

自分が…すごく切ない顔してるの、気づいて

ますか?




あたしを期待…させたいの?





あたしも、もう2年生。



…忘れるよ。

君との、思い出。