話し方も、目も、あたしの時と梨那の時と、

全然違うみたい。

「言うの遅くなっちゃったけど…ありがと。

尚斗クンのおかげだよ?」

「今度、打ち上げでもしよっか。どこか、行

きたいお店あったら、言ってね」

「うん。わかったぁ」

やっぱり、あたしの前の尚斗クンは、すごい

優しい。

「じゃあ、授業あるから戻るね。またメール

するね」

「うん。バイバイ」

尚斗クンが帰っていった後、梨那は、興奮気

味に、あたしに質問してきた。

「メアド、交換してるの!?」

「うん。ねぇ…梨那?尚斗クンって、冷たい

人なの?あたしと話してる時は、いつも優し

いのに…」

「あ~、女子に冷たいよ。キャーキャー言わ

れるのが嫌らしくて、女子のせいで、自分の

自由な時間とられんの、嫌だから。って、直

接言ったらしいよ~」

「そうなんだ」

ぱっと、掲示されている尚斗クンの名前を見

る。

そして…癖なのかな。

5位の欄を見た…

そこには、奏の名前はなくて、6位のところ

に載っていた。

…奏の、指定席だったのに。

いつも5位だったのに。

…ダメだよ、考えちゃ。

…考えるの、やめよ。

…あたしは、奏を忘れるために、勉強頑張っ

たんだから。