「結愛≪ゆめ≫、帰るぞ」

「あっ、儚≪はかな≫。うんっ」

結愛…俺の彼女。

学年1。

いや、学校1良い女と言われてる。

結愛は、本当に良い奴。

気が利くし、顔も可愛いし、スタイルもいい



だから、すっげぇモテる。

でも、俺の告白を受け止めてくれたんだ。


「結愛、またな」

「また明日ね、儚」

いつもの分かれ道、結愛とバイバイを言う。

結愛は、俺と別れるとき、いつも寂しそうな

悲しそうな、そして不安を顔に出す。

そんなことされたら、俺が家に帰れないだろ



俺は、まだ中学生だし、まだ子供だから。

きっとメリハリがない。

結愛の家まで行けば、帰るのがイヤになって

しまうから。

だから、いつもここで別れる。

今日も、寂しげに笑顔を見せながら、俺に背

中を向ける。

「…んな顔すんなよ」

俺は、結愛が大好きだった。

ただただ、好きだった。

けど、それは無力だったのかもしれない。

まだ、子供なんだな。







俺は―…