。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

奏歌が自殺未遂をした。

あたしは…はっきり言って、怒ってた。

なんで、あたしに相談してくれないの?

あたしは、どんな悩みでも聞くのに…

「…奏歌ちゃんが目を覚ました!!」

夏喜の声を聞いて、あたしは奏歌の病室に走

る。

「奏歌っ…」

「…梨那。ごめん、心配させて。あたし、な

んか…狂ってた。死んじゃえばいいって…本

気で思った」


―ベチンッ


奏歌の頬を叩いた。

「心配させないでよ!!あたし、親友でしょ!?

相談してよ!!どんなことでも聞くのに…」


…涙が止まらない。

あたしは、大事に思ってるのに…

心配だったんだよ?

あたし、自分が情けないよ。

…ごめん。

「ごめん…奏歌。あたし…自分が情けない。

奏歌に頼ってもらえるようなあたしじゃなか

ったのが、すごく嫌…」

「…ありがと、梨那」

奏歌は、あたしを抱きしめた。

奏歌の手首に巻かれてる、包帯の感触。

「心配かけて…ごめんね」

優しく奏歌が微笑むから…もう、なにも言え

なくなっちゃったよ。

あっ…