「ウケるよな~」

「てか、奏ひでぇ!俺、あの子可愛いと思っ

てたのにな~」

奏の声だ。

同じクラスって、嫌だな。

嫌でも声が聞こえてくる。

「じゃ、付き合えば?あいつ、悲しい状況だ

ろうし」

「はははっ。やっぱひでぇ!!てか、元カノだ

ろ?」

…それって、あたしのこと?

「つったって、あいつ、マジで頭おかしい。

普通、元カレからのメール、返さねぇだろ?

マジ、変なんだって!」

…あたしだ。

やっぱり、わかってないよ。

あたしの気持ち…

もう、家…帰ろうかな?

部活…今日はないし。

「梨那~」

「ん?奏歌、どうした?」

トイレに行ってて、帰ってきた梨那に、早退

を伝え、帰り支度をする。

「ごめんね、梨那」

「ううん。テキトーに理由つけとくから、気

にしないでね」

「うん。また、明日ね」

…明日。

学校行く気になるのだろうか。

…ならない気がする。

梨那に迷惑かけてるな…