…あたしは、奏が好きなのに。

いじめられても、奏が好きだったのに。

絶対に別れないって、言ったのに。

…あたしたちの関係って、こんなに簡単に切

れちゃうものだったの?

「奏歌」

「…梨那」

「帰ろ。今日、うち泊まっていいから。一回

奏歌の家に、帰ろ」

手を差し出して、あたしに笑いかけた。

…梨那は、優しさから、そんなに可愛くなれ

たんだろうな。

「うん」

梨那の手を握って、手を繋いで帰る。

その手から…梨那の優しさが伝わって、心が

熱くなってくる。






…梨那。






ありがとう。