「奏、日曜日空いてる?」

あたしが部活が休みの日曜日。

奏が大変身した日以来、デートなんてしてな

かったから、久しぶりに…

違うかも。

全然日は経ってない。

けど、すごく久しぶりに感じるんだ。

会ってた時間がすごく短かったから。

…あたし、どんどん奏を求めてる。

「ごめん、奏歌。俺、日曜日に先約ある」

「そっか。わかった」

…また、合わない。

あたしたちは、噛み合わない。

最近…変身してからずっと。

あたしの涙腺が緩んできた頃。

「奏歌~」

「梨那…?」

「今週の日曜空いてる~?あたし、暇なんだ

けど、夏喜に断られちゃってさ~」

「あたしも暇~」

「あっ、秋山クンは誘った?」

「…断られたぁ」

「よし!!久しぶりに女子会しよ!!」

「うん!!」

持つべき物は、友だよね!

うん!!

楽しもう、久しぶりの女子会を!!






「でね~」

日曜日。

ふたりとも、彼氏のことなんて忘れて、女子

会を楽しんでいた。

男優とかの話で盛り上がってた。

「あははははっ」

パッと、なにかを感じて、その方を見た。

「……えっ…」

どういうこと!?

「なんでっ…意味わかんない!!」

なにも考えずに、叫んでいた。

「なによ!?どうしたの?」

「ひどいよっ…」

ボロボロと涙がこぼれる。

「なにが!?話さないとわかんないじゃない。

どうしたのっ…」

どうしたと言いながら、振り返った梨那は、

黙り混んだ。

「…奏歌、行ってきな。一発殴ってきな」

梨那は、あたしの目をしっかり見て、そう勇

気をくれた。

…普通の友達、親友だったら、なにかの間違

いだって言って、あたしを止めるだろう。

でも、こんな時に勇気をくれて、疑ってたっ

てしょうがないって、向き合えって背中押し

てくれるのは、あたしにとって、梨那だけだ

から。

「ありがと、梨那。すぐ戻ってくるから」

「…戻って来なくてもいいよ。その時は、空

メールでも送ってくれればいいから」

「ありがとう、梨那」

急いでバックをとり、走っていく。