そんな矢先。

あたしは、女子たちに呼び出された。

「お前、奏クンの近くに寄んなよ!!奏クンが

汚れるんだよ!!」

あぁ、よくあるいじめのパターンだよね。

うん、知ってる。

よくわかるよ。

だってあたし、漫画好きだしね。

「なんとか言えよ!!」

「今すぐ別れろよ!!」

「そんなこと言われても…あたし、奏が好き

だし」

あっ…挑発しちゃったかな?

でも、本当だし。

あたし、奏のことが好きで好きでたまらない

しね。

無理に決まってる。

「だから、お前が好きでも、奏クンは…」

「じゃあさ、あんたたちは奏に、好きって言

われる?嫉妬して、なんて可愛いこと言われ

たことある?普通は、嫌いな人にそんなこと

言わないじゃない」

…余計挑発したかも。

けど、あたしは奏が好きなんだもん。

奏の彼女だもん。

顔が好きなわけじゃないもん。

奏の優しさに惹かれたんだもん。

「そんなっ…」

「あたし、絶対に別れないから!!」

とにかく、彼女たちの前から走り去る。

…あたし、別れないもん。

奏が…大好きだから。