それから、一週間。

すごいモテようの奏。

それでも、奏はあたしとの時間を大切にして

くれて。

やっぱり、あたしは奏が好きなんだって、そ

う思う。

でも、最近は嫉妬気味。

だって、奏が他の女の子にとられるんじゃな

いかって思うから。

最初の頃は良かった。

あたしの友達に紹介してるだけだったし、み

んな、あたしが奏のことをすっごく好きなの

を知ってる子だったから。

けど、最近は、あたしなんかじゃ、足元にも

及ばないような子が、奏に話しかけたり、告

白してたりする。

…嫉妬するよ。

不安に…なるよぉ。

「奏歌」

奏があたしを呼ぶ声。

あたしは、その声に安心する。

「…奏」

「どうした?元気ないじゃん」

「…ごめん。何でもないよ?」

「嘘。俺にその嘘が通じると思う?嫌なこと

があるなら、俺に相談してよ」

「ほんとに大丈夫。心配しないで?」

「言わないならいいよ。でもね…」

フワッとあたしを抱き締めてくれる。

「俺には、本当のことを言って。嘘…つかな

いで。俺は、奏歌のこと、嫌いにならないか

らね」

「…うん」

「じゃあ、帰ろ」

ギュッと握ってくれる、奏の手。

あたしの名前を呼ぶ、奏の声。

あたしを抱き締めてくれる、奏の腕。

全部が好きになってしまっているあたしは、

奏中毒。

なんて、そんな言い方しちゃいけない。

けど、きっとあたしは、奏に溺れてる。

…好きなんだ。

それほどに。