「奏歌、疲れた。今日も図書室で待ってるか

ら」

「うん!!疲れてるのに、待たせちゃってごめ

んね!!」

あたしは今から部活。

部活は、授業と違ってさぼる…なんて、あり

えなくって。

奏は、あたしを待っててくれるみたい。

…今日は疲れたよね。

大変身して、みんなにちやほやされて。

…疲れちゃったと思う。

あたしの彼氏、カッコイイんだよ!!って、み

んなに見せびらかしたくて、張り切っちゃっ

たから。

「いいよ、気にしなくて」

にこっと笑った奏は、あたしの頭を撫でてく

れた。

「部活、行ってくるね!」

「行ってらっしゃい」

部活に集中。

髪型も変えて、気分切り替え!!

奏にのろけてる場合じゃない!

大会は終わったけど、また次の大会があるん

だもん!!

男バスに負けないように、頑張る!!




「奏歌ちゃん」

「歩美先輩!!」

「聞いたよ~。噂で。彼氏さん、めっちゃイ

ケメンなんだって?羨ましいなぁ」

「今まで、めがねとかでカッコ良さを隠しち

ゃってたんです。もったいなかったから、カ

ッコイイとこ見せつけてやりました!!」

「カッコイイのはいいけどね~。今からが大

変だよ。彼氏さん、きっとモテるよ~。だっ

て、たった一日でこんなに噂だもん」

「…そっか」

「安心しきってちゃダメだからね。時には、

あたしはいい女なんだって、見せつけなきゃ

だよ!!」

「あたし、いい女なんかじゃないです…」

「でも、相手にあたしがいないと、なんにも

できないんでしょ?って、教えてやんなきゃ

ダメ」

「アドバイス、ありがとうございます!!あた

し、彼氏が待ってるんで、お先に失礼させて

もらいます!!ありがとうございました!!」

髪も縛らないで、とにかく図書室へ走る。

「奏っ、遅くなっ…」

奏は、前と同じところで、前と同じように寝

ていた。

「今日、疲れたよね?」

…ごめんね、振り回して。

「…好きだよ、奏」

あたしだって、嫉妬だってしちゃうかもしれ

ないよ?

束縛したいって、思っちゃうかもよ?

それでも、あたしを好きでいてくれる?

「あたしはずっと…好きだからね」

寝ている奏の唇に…そっとキスをした。