「おはよ~」

「おはよ、奏歌ちゃん。あれ?秋山くんは?

奏歌ちゃん、乗り換えるの早いね~」

あたしは…浮気とか、止めやすいと思われて

るのだろうか。

みんな、そんなことしか言わない。

「その、秋山クンだよ」

「嘘~!!秋山クン、カッコ良くなったね!!あ

たし、好きになっちゃうかも!」

「カッコイイでしょ!!好きになるのはダメだ

けど!」

「奏歌、行こ。俺、奏歌とふたりになりたい

から」

「えっ?うん。じゃあ、またね~」

奏に引っ張られて、あたしは廊下を歩く。

どこ向かってるのかな?

「あっ…」

旧館の図書室だ。

図書室に入ったとたんに、奏に抱き締められ

た。

「奏歌はさ」

「ん?」

「俺が、他の女の子と話してても嫉妬しない

の?」

「えっ?」

「だって、俺は奏歌が他の男と仲良くしてた

ら、絶対やだし。奏歌は、そういうのないわ

け?」

「嫉妬はしないなぁ。だって、奏がカッコ良

くなってくれて嬉しいし。自慢の彼氏だなっ

て、もっと思ったし」

「…嫉妬、してほしかった」

「だって、あたしは奏を信じてるから。簡単

に、他の誰かを好きになったりしないでしょ

う?」

「…そうだけど」

「だから、あたしも信じてね?あたしは、奏

一筋だから」

「…うん」

「授業…さぼっちゃおっか!!ふたりでいたい

から」

「うん。俺も、教室戻るの恥ずかしいし」

「だから、自信持って!!奏、すごくカッコイ

イんだからね!!」

「奏歌も…すっごく可愛いよ。俺の自慢の彼

女だからね」

あたし、いつからこんなに、奏が好きになっ

たんだろう。

わからないけどね…

奏、大好きだよ。