結局のところ。

あたしたちが勝ちました。

「奏歌、今日もさすが!!カッコ良かった」

「ありがと。梨那」

「…先輩」

夏喜クンが、低い声で先輩を呼び止めた。

「あ?」

息切れしてる先輩が答える。

「…梨那は俺の彼女です。俺が独り占めして

…なにの問題が?」

「…夏喜」

「ねぇよ!!バカ」

「夏喜クン、カッコイイじゃん。ねっ、梨那

ちゃん」

「奏歌っ!バカにするなよぉ」

照れたように笑う梨那が、すっごく可愛かっ

た。

ふたりを冷やかしつつ、特進クラスの前まで

来ちゃったあたしたちは、夏喜クンとバイバ

イした。

廊下の角を曲がろうとした時、誰かとぶつか

った。

「…った…大丈夫?ごめんな」

「こっちこそ。すいませんっ…」

誰かと確認すると…