「じゃあね、奏歌ちゃん」

「またね、奏クン。またメールするね」

「うん。ねぇ、部活ない日があったら、旧館

の図書室でいつか一緒に勉強しない?」

「うん。わかった」






Buuuuu…Buuuuu…

授業が終わった、ある日。

あたしのケータイが鳴った。

【奏クン】

…ん?

なんでだろ?

今、すぐそこにいるのに。

【今日、部活ある?】

…メールで返事した方がいい?

【ないよ♪】

Buuuuu…Buuuuu…

【じゃあ、一緒に勉強して帰ろ!】

【うんっ。で、なんでメールで?】

Buuuuu…Buuuuu…

【…恥ずかしいから】

メールを打ってた奏クンの顔が赤かった。

…照れるじゃん。

【そうなんだ(笑)じゃ、放課後にね~】

…あたし、にこにこしてたのかな。

「奏歌、誰とメールしてんの?」

梨那に、そう聞かれて焦る。

「……奏クン」

あたしは、すでに奏クンと呼ぶことに慣れて

たし、奏クンもあたしを奏歌ちゃんって呼ぶ

のになれていた。

「奏?誰?」

でも、梨那は知らないんだ。

「…秋山クン」

「えっ?秋山って、奏って言うの!?てか、秋

山と奏歌がなぜメールを?」

「……わかんない」

正直、あたし自身も知らない。

なんでメールしてる?

「流れ…かな」

「へ~。やっぱ、奏歌わからん」

あたしだって。

あたしは、君が好きなのか。

君を、ただの友達だと思ってるあたしは、嘘

つきなのか。

わかんないけど。

でも…

奏クン、嫌いじゃない。