「秋山さん」

「ん?あたし?」

「そっ、秋山さん」

話しかけてきたのは、秋山クン。

「今日、部活ある?」

「うんっ。あるよ~」

でも、なんで?

「今日、一緒に帰れる?」

「えっ?」

「今日、ひとりなら…一緒に帰りたいから。

嫌ならいいんだけどね」

少し寂しそうに、秋山クンが笑った。

あたし、帰りひとりだ。

……でも。

「うん。一緒に帰ろ」

「ありがとう。じゃあ、7時頃に体育館に行

くから」

「うん」

にこっと笑って、秋山クンはあたしから離れ

た。

……一瞬、迷った。

また、梨那がなんか言うかなって思った。

それに、あたしなんかと帰ったら、他の子に

いろんなこと言われちゃうかなって…

でも、秋山クンのこと、嫌いじゃないし…

やっぱ、断れないなって。

……まぁ、いいよね。

一緒に帰ろう。