帰り道、もう一度掲示板を見に行く。

「………あった」

夏喜クンのように、いつも名前がある人。

それは、たくさんいるけど…

一位の男の子は、いつも同じ。

ずっと一位をとり続けている。

けど、一位とビリって、ずっととれるよ。

とりやすいと思う。

一位の子は、いつもの勉強量をこなして、し

っかり理解すれば、いつも通り。

ビリは変わりようがない。

けど…

ある一人の男の子が、いつも5位をずっと保

ってる。

…秋山奏クン。

いつも、5位なんだ。

…わかんないけど。

いつも、名前を探しちゃう。

きっとそれは、名前のせいだけど。

ずっと5位ってすごい。

…気になるのは、そのせい。

彼は、いつも5位という、指定席にいる。

すぐに見つかる。

名前は…

顔は見たことがないと思う。

きっと、特進クラスだし。

少し…会ってみたいなぁ、なんて思ってる。

一字違いの彼の顔、見てみたいし。

あたしと似てるとこないかなぁ…とか。

確実に言えるのは、絶対に、あたしみたいに

平凡ではないことだと思う。




「奏歌~」

「あっ、梨那」

「教室、戻るよ~」

「うんっ」

梨那も、夏喜クンとラブラブしてきたのか、

ご機嫌がいい。

あたしも…

また、秋山クンが5位だったから、ご機嫌だ

けど。