普通が一番とかいうけど、そうは思えないの

があたしの心。

「奏歌!!」

「梨那≪りな≫っ」

あたしの親友、梨那。

小学校も中学校も同じ。

いわゆる、幼馴染みです。

「ねぇ、テストの結果出てたよ!!見に行かな

い?」

「行く~!!だって、夏喜≪なつき≫クンの順

位見に行かなきゃだもんね♪」

「奏歌っ」

夏喜クンとは、梨那の彼氏です。

「ほらっ、梨那!!夏喜クン、また入ってるみ

たい!!」

夏喜クンは、頭が良くて、いつも10位以内

に入っている。

10位以内の人は、名前と点数が書かれた紙

が、廊下に掲示される。

夏喜クンは、恥ずかしいから、見るなって言

うけど、彼女の梨那からすれば、見たいに決

まってる。

「奏歌…あたし、こんなにバカで大丈夫なの

かな?夏喜に嫌われるかも…」

「大丈夫だよ!!部活だって一緒なんだし、そ

んなの関係ないって!!」

「奏歌…ありがとう」

あたし、梨那、夏喜クンは、部活仲間。

みんなバスケ部です!!

って言っても、あたしは女バス。

夏喜クンは男バス。

梨那は、男バスのマネージャーだから、練習

日とかはふたりと違うけど。

「よしっ!!夏喜クンに会いに行く?」

「…え~、いいよ」

「ほらっ、行こっ」

梨那を引っ張って、特進クラスの方へ。

…また視線が痛いけど。

「夏喜クンッ!!」

あたしが夏喜クンを呼ぶ。

「おっ、梨那。奏歌ちゃん」

「ほらっ、梨那」

「夏喜、また10位以内だね。ほんとにすご

いよ…」

う~ん…照れてる?

恥ずかしがってるよね。

「あたしからも、おめでと」

「見に行かなくてもいいのに…まっ、ありが

とな」

にこっと笑う、夏喜クン。

バスケが上手くて、頭も良いし、笑顔が素敵

だって、夏喜クンも結構モテる。

梨那も、可愛くて、結構モテる。

平凡なのは、あたしだけ。

謙遜してとかじゃなくって、本気にモテない

んだけどね…

「じゃあ、しばらくラブラブしててねっ」

そう言って、ふたりっきりにさせてあげられ

るくらいしか、あたしには出来ない。