「奏歌ちゃん!!」

「ん?」

「お弁当、一緒に食べよ♪」

「うん!!」

え~…っと。

名前は、夏実≪なつみ≫ちゃん。

…名前、覚えてなくてごめんなさい。

あまり仲良くないから…覚えてなかった。

まだ、出会って浅いからいいよね。

「奏歌ちゃんは?嫌いな子、いないの?」

夏実ちゃんは、誰かの悪口を言っていた。

「う~ん…まだ、みんなのことわかってない

から、嫌いの以前の話かな~」




そうです。

あたしは、高校1年生。

入学して、まだ2週間。

誰が誰だかわかりません。

でも、風紀は乱してます。

みんなやってたから、いいと思って…

スカートは短いし、規定とは違うセーター着

てるし、普通の女の子と同じですよね!!

「奏歌ちゃん、人の悪口言わないの?」

「う~ん…中学の時は言ってたかな」

「そうなんだ!!やっぱ、嫌いな子っているよ

ね!!」

「………うん。いるよ、きっと」

…あたしは、実際にはいたのかいなかったの

か、わかんないんだけどね。

なんか、周りに流されて、あの子、うざくな

い?とか聞かれちゃうと、どうしても…違う

って言えなくて…

あたし、八方美人なのかもしれない…

「じゃあ、奏歌ちゃんバイバーイ!!」

「うん。バイバーイ」

あたし、平凡だなぁ…

うちの学校、特進クラスと一般クラスとあっ

て、あたしは一般クラス。

テストの成績は、いつも平均くらい。

上でも、下でもない。

見た目も、美人でも可愛くもなくて、だけど

ブスってわけでもないと思う。

…あたしみたいなの、一般女子っていうのか

なぁ?