「おはようございます☆」

「あっ、実穂さん、おはようございます」

良かったぁ…

この空間に、ふたりきりは辛い…

「奈央ちゃん…と、青葉クン。隣、座っても

いい?」

「…勝手にどうぞ」

「どうぞ♪」

どうぞってより、座ってくださいって感じか

な~。

「あのねっ」

実穂さん、座ったとたんに話せるんですね、

すごいです。

…話してくれて、ありがとです。

にこにこっと、笑顔を絶やさない実穂さんを

見ていると、なんかあたしまで嬉しくなって

くる。

あたしは、右の窓側。

実穂さんは、その隣。

あたしは、実穂さんの話を聞くために、実穂

さんの方を向く。

そうすると、左の窓側に座ってる光輝クンが

見える。

実穂さんの話を聞きたいのに、集中できなく

て、光輝クンばかり気になる。

後ろにいる、光輝クンしか目に入らない。

あたしは…なにやってるの?

もう、光輝クンはあきらめるって決めたはず

でしょ?

いつまでも、光輝クンを思っててはダメ。

…あたし自身が。

光輝クンまでもが壊れてしまう。

…ねぇ、光輝クン。

あたしを好きって言ったのは、最後の言葉だ

から?

あれは、嘘なの…?