―――目が覚めると私はベッドの中にいた。
隣には私を抱き締め眠る三浦さん。シングルベッドに身を寄せ眠っていたんだと分かり、どうりで息苦しかったわけだ。
改めて、三浦さんの近距離にある顔を観察する。
睫毛長いな、しかも何でこの人こんなにきめ細かい肌してんの。相変わらず恐いくらい整った顔だと思う。
と。
「そんなに見つめられると照れるんだけど。」
「ッ――――!?」
そんな意地悪く微笑を孕んだ声と共にパチリと持ち上がった瞼。切れ長で二重の双眼が私を捉えた。
起きてたんですか、と狸寝入りされたことに若干いじけながら呟いた私に三浦さんは爆弾を投下する。
「寝顔、可愛かった。」
私の顔は見る見るうちに赤く染め上がり、目を瞬かせることしか出来なかった。
咄嗟に出た言葉は「変態…!」と何とも子供じみた発想のもの。
言えば、悔しかっただけだ。


