―――――翻弄とする意識の中で聞こえた、私の名を呼ぶ三浦さんの声は酷く切なかった。
苦しいのは私なのに…。なんて狡い。
今日はまだ仕事の筈なのに、どうしてここにいるの?
妬いてるって、何で?
私のこと、どう思ってるの?
「俺のモノ」って、どんな気持ちで言ってるの?
欲求不満解消の為に利用され、縛り付けられ囚われ続ける。自分の気持ちに目を瞑る。そんなペテン師にはなりきれない。
身体を重ねる度に感じる甘い刺激は、その場限りで。
優しく触れる手は、私を捕まえとく為で。
決して、貴方が私を愛してくれる日は来ない。
キスは煙草の味がした。
涙を流し愛を求めるだけの日々を終わらせたいと
強く思った。


