「あんま、楽しくない?」
「そんなことないよ。清水くんが話しかけてくれるし。」
うっすらと微笑むと、清水くんは焦った様子で自分のビールを喉に流し込んだ。
清水くんが私に気を使ってくれているのは分かってるし、何より常に感じる沢山の視線のせいで私が孤立しているのは嫌でも分かる。
ナルシストとかじゃなくて、本当に感じるんだ。奇っ怪な物でも見るような、そんな視線を。
―――――そんな状況が打開されることはなく、左手首にある腕時計の時刻は23時を少し回ったところだった。
「ゔー…」
「…大丈夫、清水くん?」
私は苦痛な呻き声を出す清水くんと一緒にアパート近くの公園にいた。
頭を押さえてベンチに浅く腰掛ける彼は、絶えず濁点が付くほど掠れた声を発している。
やはり、今日の清水くんはおかしい。


