…、え?

私の耳はおかしくなったんだろうか。三浦さんの言葉は私の脳の働きをフリーズさせるには強烈すぎた。


身体は全く動かない。ただ瞼だけは高速で瞬きを繰り返している。



寂しい、って三浦さんが?私に会えなくてって?

…冗談、キツいですよ。そんなこと言われたら私の決意とか全部揺らいでしまうじゃないか。


「狡いこと、言わないで。」

“菫…?”

「ッ、呼ばないでよ…!」



なんて狡い人なんだこの大人は。あんなこと言われて、あまり会わない方がいい、この関係を終わらした方がいいんじゃないかなんて。

そんな、自分の気持ちに目を閉じること……私には出来ない。



“菫、どうしたんだよ。”

「―――――ッ」


急に拒絶を口にした私に三浦さんは困惑したような声で私を呼ぶ。困らせるつもりなんかなかったのに、私、馬鹿だ。