本当に安堵した動作をする清水くんは嘘を吐いているようには見えなかった。

別に、私に嫌われても彼みたいな明るい人種には友人だって大勢いるだろう。


首を傾げる私に、少し頬を赤く染め恥ずかしそうに笑う清水くん。今日の彼は何だかおかしい、なんて思っていると。


この静かな空間に、けたたましいメロディーが響いた。



音の発信源は私の着ているセーターのポケットからで。それが直ぐに自分の携帯だと気付く。

しかも、その着信音は電話専用。急いで取り出して二つ折りのそれを開いた私は一度目を疑った。




゙着信:三浦さん゙


……何てタイミングの悪い。私はチラッと清水くんを盗み見、ひやりとした冷たさを覚えた。

彼は、まるで何もかも見透かしたような目でただ真っ直ぐに私を見ていたから。