「清水ちゃんは、ちょっと格好つけすぎたんだろーね。」

「…。」

「完璧、菫ちゃん困らせるだけで終わってたしー。」


あははと笑う瀬尾ちゃんを、俺は酔っているせいか力のない眼で睨む。



ここに来て、今の状況の俺に今あんたはそれを言うのか。

嗚呼もう何なんだよ。マジで泣きてえんだけど。俺にとっちゃ、篠宮に抱いた想いは今までで一番デカい想いだったんだよ。



情けないけど、熱くなってくる喉のせいで瞳を濡らすそれを隠すように俯く。


そして、やはり瀬尾ちゃんの意地の悪いの何のって。

俺の頭をまたくしゃりと乱すと、小さく笑いを零して。



「好きなら、我武者羅になってでも自分をぶつければいいんだよ。」

「…。」

「まったく清水ちゃんは、…お人好し。」

「…。」

「清水ちゃんの場合、敵が悪かったけどさ。私は清水ちゃんの頑張り、良くやったと思う。」