2人きりのエレベーターの中で、悪戯に迫られ。熱く官能的なキスをドアが開くギリギリまで交わす。
スリル満点、なんて生易しいものじゃない。
顔を赤く染めながらも、冷や冷やと顔を青ざめさせる私を見て春海は楽しんでいる。
「俺がいる」と言った奴自身が1番危ないなんて、詐欺もいいとこ。最低である。
―――まあ、それを拒みきれない私がいるからその反論は口には出せず終いだった。
連れられるがままの流れで、私が席についたのは清潔感と如何にも高級感漂うホテル内のレストランだった。
ボーイさんに「三浦ですが」と名前を告げる春海を横目に、私はちょっと泣きそうになっていた。
緊張が、極度まできているんだと自覚できるほど暴れる心音。
嗚呼、やっぱり私今日で死ぬんじゃない?心臓発作とかでパタリと逝くんじゃない?


