不安は募るばかりで、俯くことしか出来ない私は込み上げてくる熱いものが目から零れないように拳をつくり膝の上で握る。
この位で泣くな、まだ顔を合わせてもないし結果も分からないのに。
自分自身に言い聞かせるよう、強い意志を持とうとは思うも。
私は麻乃さんみたいに綺麗に自分を魅せる方法を知らなければ、頭も良くないし、そして何より。
まだまだ子供だ。
2歳差と言えば簡単、だけど2歳の差は思ったより大きい。
それを埋めるほどの関係を築けたのはつい最近で。まだまだ春海の隣に立って歩く自信がない、情けない奴だ。
好きでも、こればかりはどうしようもないのかもしれない。
「菫、ちょっと深く考えすぎだから。」
「…考えたくも、なりますよ。」
「お前の場合、肝心なこと忘れてるから余計に緊張するんだよ。」
「…肝心なこと?」
春海の言葉を復唱して、首を傾げた私に優しく微笑んで見せた春海。


