だが。
その一歩後ろに呆然と立ち止まる春海の顔はというと。
驚きに目を見開き、視線だけを室内へとさまよわせていた。暫くそれが続き、その視線の終着点は私。
ゆったりとした足取りで私へと歩み寄ってくる春海に、私は微笑んで見せた。
「…これ、て…。」
「サプライズです。お誕生日おめでとうございます。」
「……わ。」
「25歳、ですね。」
「…オジサンになっちゃうじゃん。」
「まだまだ若いですから安心して下さい。」
それに、春海が何歳になろうと。私が春海を好きな気持ちは変わりませんから。
そう言えば、普段は見せないような少し照れた顔を見せた春海が酷く愛おしかった。
その後は、麻乃さんが作ってくれていた料理を4人で机を囲んで食べた。
プロなのか、と思うほどの腕前に感動していたら今度一緒にご飯を作る約束をした。
顔ヨシ、頭ヨシ、性格ヨシ、料理も出来る麻乃さんには純粋に憧れを抱く。


