囚われジョーカー【完】




頭の上の重みが離れ、ゆっくりと目元から腕を離した私の視界が一気に暗闇に化した。


何だ、と思う前に唇に重なる熱、腰に回ったそれの力を感じて私も静に従う。



腕の中に閉じ込めてしまうほど、キツくも優しい三浦さんの包容。


それとは違い、優しくも熱く激しい口付けに唇の隙間から卑猥な声がもれる。



ふと、今私達がいるのが路上の真ん中ということを思い出し、私は直ぐに三浦さんの胸板を押し返した。



「ば、場所…!」

「……。」



恨めしそうに私を見る三浦さん。その目には今はもう従わないぞ、とこちらも睨むように対抗すれば。



「菫もノってたのに。」



瞬間的に三浦さんの肩を思いっきり叩いていた。



「っ痛!」と私を見下ろすこの男はデリカシーというものがないのか。


例えそうだったとしても、言わないのが成人男性だろう!