頭の上の重みが離れ、ゆっくりと目元から腕を離した私の視界が一気に暗闇に化した。
何だ、と思う前に唇に重なる熱、腰に回ったそれの力を感じて私も静に従う。
腕の中に閉じ込めてしまうほど、キツくも優しい三浦さんの包容。
それとは違い、優しくも熱く激しい口付けに唇の隙間から卑猥な声がもれる。
ふと、今私達がいるのが路上の真ん中ということを思い出し、私は直ぐに三浦さんの胸板を押し返した。
「ば、場所…!」
「……。」
恨めしそうに私を見る三浦さん。その目には今はもう従わないぞ、とこちらも睨むように対抗すれば。
「菫もノってたのに。」
瞬間的に三浦さんの肩を思いっきり叩いていた。
「っ痛!」と私を見下ろすこの男はデリカシーというものがないのか。
例えそうだったとしても、言わないのが成人男性だろう!


