私の隣で停車したそれのウインドーが下がり、運転席から顔を覗かせたその人はへらりと笑った。
「よ、菫。大学終わったの?」
「うん。てか叔父さん何してるの?」
「ちょっくら買い物にねー。」
自分から聞いたくせにふーん、と興味なさげな返答をした私。
三浦さんの口癖がうつってしまった、と思ったら何だか吹き出してしまう。
叔父さんは当然きょとんとしていて、首を傾げている。
「菫ー?」
「ああ、気にしないでいいから。」
「思い出し笑いって、変態なんだって。」
「は?違うから。」
「…冗談だって。そんなに睨まなくても…」
「……、」
変態は三浦さんだけで十分だ、と失礼極まりないことを頭の中で考える私は少し頬を赤くして眉根を寄せていた。
と。
気を取り直した叔父さんが「乗りな」と笑ったので、遠慮なく助手席に乗り込んだ。


