その後ろ姿をぼーっと見つめていれば、バックの中で震えるそれ。
急いで取り出してディスプレイを確認すれば、【メール1件受信】と表示されていた。
開いてみれば、送信者にば麻乃さん゙の文字。
内容は《2人でサプライズ計画しよう!》だった。それに是非と返信を打つと携帯を閉じた。
助かった。私一人じゃサプライズなんて出来ないし、まともに「おめでとう」も言えないかもしれなかったから。
明日の夜にご飯を食べながら決めるということになった。バイトが休みだから丁度良い。
―――――講義が終わり、大学を出た私はそのまま怠い足取りでバイトへと向かう。
確か、今日は清水くんが休みだったかな?私と叔父さんと松崎さんだけかあ、と考えながら歩いていれば。
ププ、と二度ほど鳴らされた車のクラクションに微細に肩を上げた。
こちらへと次第に近付いて来る車の気配がして、振り返ればそれには見覚えがあった。


