部屋へと入った私は、取りあえずシャワーを浴びて服を着替える。
髪を乾かしてそれを頭の高い位置で括った。
三浦さんの出勤時間に間に合うようにしたから、私は午後まで暇。
特にすることもなくソファーに腰を下ろしてテレビの電源を入れたが、小うるさい芸人の怒鳴り声が耳障りで直ぐに消した。
と。
―――ピンポーン…
来客を知らせるチャイムが部屋に鳴り響き、気怠い体を上げて玄関まで小走りに向かう。
ドア穴から外を覗くと、相手の行動の有り得なさに驚いて私は「うわっ」と声を上げてしまった。
ふーっと息を吐きだして、鍵を開けてやれば向こう側からドアノブが無遠慮に回された。
外との空間を作り上げたドアの隙間から入って来る来客に、私は非難の目を向けてやるが。
ニヤリ、笑った笑顔に効くはずもないと分かっているから直ぐにやめた。


