「なんで――――ッ」



身を屈め、助手席に片足を付いた私の腕を三浦さんが急に力強く引っ張る。

ニヤリと笑った三浦さんの顔が迫ってくることにしまったと思った時既に遅し。


゙なんですがという私の声を遮るのは、唇への熱。



「っ、ん、」


すかさず侵入してきて歯列をなぞる舌の動きに意識は吹っ飛ぶ寸前。脳がとろけるくるい甘いのに、舌が絡まる度に煙草の味がするのが酷く現実的で。

相変わらずこの人のキスは、私まで肺がやられてしまう。



唇が離れて、自分でも分かる頬の熱を隠そうと少し俯く私の顎を軽く曲げた人差し指と親指で挟むようにして持ち上げる三浦さん。


私が恥ずかしがっていると気付いてそうしているのはこの人の今の顔を見れば分かる。