確信なんてない。でも、強くそう思うのは私達が今までいつ崩れるかも分からなかった道を、2人で歩いて来たという事実が存在するから。
泣く夜の方が多かった。三浦さんの傍ほど苦しいものはないとさえ思った。
でも、現在、こうして三浦さんの傍にいることが出来ると思えるのは。
例えどんな過去があったとしても今寄り添えているから。
不条理に泣くことは、もうない。
私はきっとこれから、三浦さんの傍に立っていける。この気持ちを自ら手放すなんてこと、有り得ないから。
思考を現実へと浮上させてみれば、いつの間にか私の足は三浦さんのマンションの前で止まっていた。
カツカツと鳴るブーツのヒールがマンションのロビーに響き、エレベーターの【↑】ボタンを押す人指し指が震えた。
…情け無い、な。
柄にもなく、緊張している私がいる。


