「…これ、清水くんに貰ったんです。」
「は?……へぇ、」
「…。」
明らかに声からも表情からも怪訝を浮かばせた三浦さん。
背中を冷たいものが駆け上がった気がしたけど、負けるな、負けるな私!
「明日、清水くんと話をします。」
「…、」
「ごめんなさい、って。だからこれはせめてものお礼の気持ちなんです。」
だから、だから三浦さん――――――…
私を嫌いにならないで下さい。
そう呟いたのは無意識だった。ハ、と自分の失態に気付いた時には既に遅し。
三浦さんは驚いたように体の動きを止め、指に挟んだ煙草の灰は長くなっている。
落ちますよと促せば思い出したように灰皿に煙草を押し付けていた。
そして、再度戻ってくる真っ直ぐな視線にきゅっと胸が締め付けられた。三浦さんの顔はやはり綺麗だ。
それは男性にしてはきめ細かい肌だとか、整った顔立ちはいつ見ても羨ましい。


