――――なんて、大口を叩いた割には清水くんに向き合う勇気も潔さも私にはなくて。
大学が終わった後、当たり前にバイトはあり。着くまでの足取りはどんどんと重いものへと変わっていく。
と。
落ちてきた髪を耳にかけ直そうとして、左耳のそれに触れてしまう。
実は昨日、ピアスを開けたいという話をしたら三浦さんが開けてくれたのだが。
強引というか乱暴というか、適当というか……。
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「ち、ちょっと待って三浦さん…!」
「あ?」
昨晩、話にも一旦区切りがつきソファーへと落ち着いた私達は。三浦さんが私の耳朶を氷で冷やしている状態にあった。
何でも、感覚を無くすためらしいのだが。問題はそこじゃない。寧ろそれは有り難かったし…。


