その温もりに身を委ね、下ろした瞼の奥で見たのば三浦春海゙という名の私のすべて。
情け無い、かもしれないけど。事実だから仕方がない。
諦めたふりして、結局は諦めきれてなくて。忘れたふりしても、それは私が忘れたくないと願っていることで。
嗚呼、香水ショップの店員さんが言ってた言葉の意味はこういうことだったのか。
「…ようやく、分かりました。」
「ん?何が?」
「秘密です。」
「ふーん…?」
まあ、いいけどねと呟いた三浦さんは。もう一度私の唇に優しく自分のそれを押し付けた。
一人、涙を流す夜は
終わったのだ。
後の人生は、貴方さえ傍に居てくれればもうそれだけでいい。
三浦さんが、私の全てだ。
好きって言葉だけじゃ不満さえ感じてしまうこのアツイ感情は、私の気持ち全部がすっきりしたら伝えよう。
それまでは、まだ「好き」のまま。


