はあ、と小さくも重たい溜息を吐き出した私は再び窓の外で流れる景色に視線を飛ばした。
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着いた、落ち着き払った三浦さんの声で私の意識は浮上する。
眠たい?と問いかけられたことで今まで自分が夢の中へと居たことに気付く。
すみませんと謝罪を告げれば、緩く薄く笑われた。
「じゃあ、行って来ます…。」
車が停まっているのは、アパート前の道端。路上駐車を長時間させるわけにもいかないと思い、急いで車を降りた私だが。
「待て。」
空気を裂くような凛とした声音が鼓膜を叩いた。


