「はい、隣。」
ポンポンと自分の座るソファーの隣を叩く三浦さんだが、私は「は?」という顔で見下ろしてやる。
それもその筈。
隣に座れと言っときながら、そこにはスペースなんてものはない。膝掛けに座れと言いたいのかこの人。
おちょくってるのだろうかと、眉をひそめた私にやっと気付いたのか三浦さんは「ああ」と呟きスペースを空けてくれた。
「…菫、何で麻乃のこと知ってんの。」
「……三浦さんが電話で名前を呼んでたので。」
「………ああ、あん時か。やっぱお前起きてたんだな。」
「はい。」
おもむろに紫煙を吐き出し携帯灰皿に煙草を押し付ける動作を横目で確認。
やっぱ、と言ってることから私があの時起きていたことを薄々気付いていたのか。
まあ、名前呼ばれたし。
「俺、6日前の菫に聞いた質問の答えを聞きたいんだけど。」
「質問……?」
「俺のこと、好き?」


