自然と力が入っていて、唇を強く結んでいた私。一度離れた三浦さんの顔。眉根がぐっと怪訝そうに寄る。
と。
ペロリ、唇を舐められたことに驚き目を見開くと同時声を発するため口を開いた瞬間。
策にハマったとはまさにこのこと。隙ありと言わんばかりに再度重なったそれ。
先程と違うのは口内を好き勝手犯す熱い舌が存在しているということ。
なんてふしだらで官能的な口付け。静寂な深夜の玄関に響くリップ音に頬は赤くなる。
二人の間に籠もる吐息はとろけるほどに熱く、もう頭の芯から溶かされていってるんじゃないかと錯覚してしまう。
逃げようとすれば、更に強く腰を引き寄せられ後頭部に回った手がそれを許さない。
ああ、何だコレ。
キスなんてする気なかったのに。なんて言ってみても、鍵を開けた時点で同意の上ととられてるかもしれない。


