囚われジョーカー【完】





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時間はあっと言う間に過ぎ。大学が終わると、私と清水くんは2人で待ち合わせ場所に向かった。


一歩先を歩く清水くんが向かう方角は、街の大通りっぽかったから正直嫌だったが仕方ない。



会話はそこまで弾まなかったが、それもパンツスーツに身を包んだ明日香さんの登場で。今度は若干疲れるほどに3人(主に明日香さん)の言の葉が飛び交った。





「私の知り合いがやってるパスタの店があるから、そこに行こう!」


そう言い、ぐいぐいと私の腕を引っ張る明日香さんの顔には満面の笑み。それを見て半歩後ろを清水くんが苦笑して見下ろしている。



多少引かれすぎる手首が痛かったけど、あの笑顔を見てしまえば抵抗なんで出来るわけがない。



暫く歩き、到着したお店は和テイストな構えのお洒落なお店だった。